後入れ先出しとは、商品、製品、原材料、仕掛品等の棚卸資産の評価、原価計算の方法の1つで、後から仕入れた物や製造の時期が新しい棚卸資産から順次払い出されたと想定して、棚卸資産の評価や原価計算を行う方法です。
たとえば、4月1日に1,000円の商品を10個、4月10日に同じ商品を1,200円で30個仕入れたとする。4月20日にその商品が35個売れたとすると、月末の在庫は1,000円の商品が5個残ったことになります。
物価上昇時期において、この後入先出法を用いると、後に購入している高いものを先に払い出すため、利益が低く計上されることになると同時に、原価の安いものが棚卸資産として残るため期末の評価額も低くなります。また、逆の評価方法を先入先出法といいます。
この方法は、国際会計基準(IAS)では認められていないことから、日本でも会計基準が改正され、平成22年度(2010)4月以降、棚卸資産の評価に適用できなくなりました。